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第二回防衛会議
大臣、ある極秘情報によりますと、極一部の極秘な過激派が、極極秘裏の内に、極極秘裏な活動を、極極秘裏に開始したようです。
うーん。それは、警察の仕事。
それが、国家規模のプロジェクトだというんですが。
どんなプロジェクト?
なんでも、硫化水素を使った大規模テロだ、というんです。
うーん。今、巷ではやっていて、すでに、この数ヶ月で70人もの自殺者を出しているという、あの硫化水素。それでどんなプロジェクト?
なんでも、原料は手軽に安く手に入りますから、それを大量に仕入れて、たくさんの小型自動発生装置を作って、それを政府の要人、官僚なんかに配るとか、どうだとか。
うーん。すると、なんだな、それが配られた時点で、それに触れないように防衛すると。
それが、どういった形になるか、情報が極極秘裏なもんで。
うーん。至急対策本部を立ち上げて、まず、原料の入手を押さえ、その過激派を一斉検挙。これで防衛完了。
ところが、原料は、極一般に売られているもので、過激派は、過激派らしくない、過激派であるような、ないような。
どういうこと。
原料は、極一般の家庭用品ですし、どうも、その過激派なるものは、極一般の家庭のお母さんたちが、その過激派らしくない、過激派であるような、ないような。
どういうこと。
つまり、これは、極極極秘裏な極秘情報なんですが、そのお母さんたち、今の悪政に、そうとう頭にきているらしく、あの年金不祥事未解決継続事案に続き、後期高齢者医療制度費は取られ、税金は取られ、電気、ガス料金の大幅再値上げ、ほかの生活必需品の物価もどんどん上がるし、医療費が、子供の学費が、ローンが、家計が、子どもが不良にならないかしら、まさか、あの通り魔殺人犯に!、あの硫化水素の自殺だなんて!、と、そこへ、あのガソリン暫定税率の復活で、もう頭がパンクして、腹わたが煮え繰り返って、こんな汚い政治から、あの通り魔殺人から、硫化水素の自殺、弱いものへの殺人殺害、白鳥の首を折ったり、チューリップの首を切ったりと、ニュースで見せつけられて、なんでこんな無抵抗な弱いものを、どうせやるなら、なんで強い大きな悪党をやっつけないの、なんて情けないの、こんな意気地なしを育てた覚えはありません、と、どうせやるならあたし達が、と、もう精神が錯乱してしまって、その悪政の悪党の巨悪を倒してやる、と、いきりたって、家庭にあるその原料を、足らなければいきつけのスーパーで買いだめし、持ち前の器用さで家庭にあるもので組み立てて、それでもお母さんですから、悪党にも家庭はあるだろうし、家族はかわいそうだから、と、その悪党だけが集まるところに、極極密裏に、その家庭用品小型自動硫化水素発生装置なるものを取り付けて、その悪政の悪党の巨悪らしい政府の要人、官僚なんかを殺害しようといったようなくわだてのようなプロジェクトだそうです。
うーん。まさか、うちのやつが入ってやしないだろうな。それでなくとも、日ごろ、亭主は留守がいい、なんて言っているらしいし、遺産も入るし。うーん。
大臣、どうしましょう。
どうしましょう、ったって、その過激派のお母さんたちは、つかめてるの?
それが、まったく見当もつかなくて。私の妻にもそれとなく聞いてみたんですが、まあ、言うことのほとんどは信用できない・・・、いや、私の妻に限ってそんなことはありません!
君のことなんて、どうだっていいんだ。それより、うちのやつのほうがよっぽど心配。どうも最近冷たくて、嫌っているようで、大義名分が立てば、夫をバラバラにするぐらい・・・、いや、私の妻に限ってそんなことはありません!
警備局長、聞いてる?
ええ、硫化水素に関する危険性はすでに把握していますが、それがお母さんたちとなると・・・。いや、早急に、公安に調べさせ、監視の手配を・・・。それに、例の特命にも・・・。
いや、手配もいけれど、実際、お母さんたちは気の毒だ。踏んだり蹴ったりの政治で、生活防衛に疲れ果てて、挙句の果てに、通り魔殺人犯や硫化水素自殺者が・・・、それでなくても、白鳥の首を折ったり、チューリップの首を切ったりしたのが、自分の子供じゃないかと、余計な心配、気苦労、で、・・・。
ええ、大臣、お気持ち、わかります。同じ、防衛するものとして、専守防衛にも限度ってのがありますから。
まあ、私も含めて、最近、顔にもいい肉が付いているし、自衛隊占有地のゴルフ場の件も出てきたことだし、政治家も、官僚も、暫定税率や、特定財源や、ほかの、なんだらこんだらの税金、年貢の施(ほどこ)しで、メタボはやめよう、メタボは、・・・。
ええ、まったく、おっしゃる通りです。メタボはやめましょう、メタボは、・・・。
(2008.04.29)
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