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地獄

死んだら、"無"になって、何も残らないと思っている人が多い。


特に、悪人は、 この傾向が強い。いずれ、死ねば、みんな無くなると思い込んでいる。


しかし、そう簡単に、 "問屋が卸す"、かどうか?


"借金"があるのに、 そう簡単に、"問屋が卸す"、かどうか?


"そうは、問屋が、卸すまい"


ダンテの"神曲"の地獄編で、 悪の聖職者が、最下位の地獄に落ちて苦しむが、その理由は、最善でなければならないものが、 最悪をなすからだ。"最善に対する裏切りほど、最悪なものはない"。その"住所"は、最下位の "地獄"と決っている。


その最悪者の"地獄"とは、どんなものか。


その最悪者の"地獄"は、その"死"のだいぶ前から、 すでに"地獄"であるはずだ。それは当人にとって、最も苦しい"地獄"であるはずで、やがて、 苦しみながら、"死"の床に横たわるが、これからが、また凄まじい"苦"の連続で、 精神的な"苦"はもとより、その肉体的な"苦痛"、肉体が物質へと変わるその"苦痛"の凄まじさは、 筆舌に尽くせない。これを、"断末魔"という。この"断末魔"が無限時間、続く。これを"無間地獄" という。外から見ると、生から死への時間は、それほど長くはないが、当人にとっては、無限的に続く。丁度、 時間が遅くあって欲しい時は、早く感じられ、早くあって欲しい時は、遅く感じられるという、あの 時間の相対性が、この時、その本性を現す。解釈していた"時間"から、"時間ソノモノ"へと 近づくからだ。その"苦"が、いつまで続くかは、"自分"の純白のシーツの "汚れ"具合と、その"洗濯"の仕方しだいだが、 すっかりきれいになるという "保証"、すなわち、利子付きで、その"借金"を返すという、 "懺悔"が確実に成立したとき、"神曲"でいう、"煉獄"へと移行する。 "煉獄"での"苦痛"は、その"懺悔"の中で、 自分から求めた"苦痛"なので、"地獄"ほどではない。 その"住所"は、"蓮華"の生ずる"汚泥"の中、その"時間"は、"蓮華"となるまで。 どんな"死"に方をしても、最悪者の、この"地獄"と"煉獄"とは、免れない。


心当たりの方は、 今のうちに、利子付きの"借金"の返済を、済まされますように...


(1997.10.19)

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