| この品の題目の骨子は、
諸法実相、十界互倶、一念三千の理に基づき、一大事因縁の”妙法蓮華経”によって、
”今、ここ”の霊鷲山の”私”は一身即三身如来であることを示し、無量の衆生も
”今、ここ”の霊鷲山の”私”、諸法実相、十界互倶、
一念三千の”私”であり、その無量の”私”の説く（解釈する）無量の方便教（世界）は、
無量の衆生の”私”（生命）を、
その目的である仏の”私”（一身即三身如来）に
するために
説かれた（解釈された）ものであることを明かす。十如是の”私”は、”如是相、如是性、如是体、・・・”
（応身如来）、”是相如、是性如、是体如、・・・”（報身如来）、”相如是、性如是、体如是、・・・”（法身如来）の
一身即三身如来であり、その一身即三身如来の”私”は、如是相（応身如来）、如是性（報身如来）、
如是体（法身如来）を”体”として
他の七如是（力、作、因、縁、果、報、本末究竟等）を”用”として本（衆生）も末（仏）も究竟して等しいことを示す。
一大事因縁の”私”は、一大事因縁が”妙法蓮華経”の五字であり、
その一大事因縁の”妙法蓮華経”の”私”は、一妙である仏界を開かしめるためにまずそれが大法であることを示し、
その大法（因）が事なる一念三千（蓮華）の法であることを悟らしめ、その大法の境智冥合の
本因本果の本尊（境）とともに
修行に入らしめるための智の縁となる”妙法蓮華経”の受持（南無妙法蓮華経）と、
その大法（本因本果）の本尊（境）とを説きあらわす（経）。
この一大事因縁の”妙法蓮華経”の開示悟入は、生命の生（開）死（入）とその中間（示悟）との繰り返しであり、
その生命の成（開）住（示）壊（悟）空（入）の繰り返しであり、その生命の一瞬の、一生の、無限の”妙法蓮華経”、
一念三千の繰り返しであり、”理”においては四仏知見と開き、
”人”においてはこの法華経（南無妙法蓮華経）を信解できるのは菩薩（地涌の菩薩）のみであることを示し、
”教”においては方便教によらない一仏乗を悟らしめ、
”行”においてはその一仏乗の修行に入らしめるを明かす。
さらに、この一大事因縁の”妙法蓮華経”の”私”は、”妙法蓮華経”の五字が空風水火地の五大であり、
頭喉胸腹足の五体となって”私”の身体を創り、”妙法蓮華経”が”私”の内と外の身体の全体であり
”私”そのものであることを明かす。
すなわち、”妙”は空、”法”は風、”蓮”は水、”華”は火、”経”は地の五大として、
一妙の空理を分別する”頭”となり、
その分別した大法の風（言葉）として発言する”喉”となり、その発言、活動、生活の本源の蓮華の因縁として
水を火に変える（エネルギーを変換する）”胸””腹”となり、事の一念三千の経の地（世界）を
感じ捉え創造する”足”となり、
一妙空なる”私”は、大法風なる”言葉”のもとに、蓮華因縁たる水火の”活力”によって、
事の一念三千たる経の地の”世界”を創造する。この一大事因縁の”妙法蓮華経”の開示悟入の
事の一念三千の”私”一身即三身如来（南無妙法蓮華経如来）は、無量の方便教によって無量の衆生を引導し、
最後無上大乗をもって衆生をして正直に方便を捨てさしめ但無上道を説き聞かしめ、菩薩の生命を呼び起こし、
一仏乗を開き、示し、悟らしめ、その一仏乗に入らしめる。
三世の諸仏の説法の儀式の如く、この”私”一身即三身如来（南無妙法蓮華経如来）もまた
このように無分別の法を説き、身口意の三業でこれを信受するもの（南無妙法蓮華経菩薩）
（地涌の菩薩）を自ら当に作仏せしめる。
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