おや、また珍しい人が、こちらにやってきます。
こんにちわ、星の王子さま。
いや、こんにちわ、ドブガイ先生、お元気ですか?
いやいや、大変なことに!
ほんとうに、大変なことに。
私も油断していました。タイバラ先生の失敗談はいつでしたっけ、あの話で油断は禁物とあらためて肝に銘じたんですが、それから大分たっていたもので、実はこの大震災の一週間位前、私の一番大切にしていたドブガイが珍しく砂から少し多めに出ていたのを、万全の二重三重の管理だから大丈夫だろうと放って置いたら、2,3日経って、海の匂いがして実際は貝の匂いなんですが、体を垂直にほとんど砂からピンと出してやっと異変に気づき、気づいたときには口を開けて死んでいました。苦しいとも助けてとも言わない、もの言わぬ貝ですから日ごろから注意はしていたんですが、私もタイバラ先生同様あんだけのことをしているのだから大丈夫だろうと、万全の体制、設備、準備がかえってあだとなって気づいたときには手遅れと、・・・。
そうでしたか。そのドブガイは、自分のこともこれから起こるであろうことも、必死に教えようとしていたんでしょうね。慢心と言ってはなんですが、気の弛(ゆる)みからそれを見過ごしてしまった。慢心や驕(おご)りで気が高ぶっている時には、周りがよく見えず気がつかないものです。
そうですね。この大震災も、過信や油断がなければどれだけの生命(いのち)が助かったことか。
その意味でも重大な結果を引き起こす可能性のあるものについては、よほどより最悪の事態を想定して、それを基準に物事を決めて、たくさんの生命(いのち)が、想定外という言葉で言い訳けをする責任ある馬鹿者によって殺される事態だけは是非とも避けたいものです。
そうですね。地震や津波の被害を何度も受けている所に、極めて危険な施設を建てておいて、その地震や津波で甚大な被害を出し続けているというのに、それは想定外だったとか言っている、或いは学者に言わせている、想定外の責任ある大馬鹿者がいます。
より最悪の事態を想定して町全体を高台に移したところは、津波の被害はほとんどなかったようですね。
ええ、そうです。被害をより拡大させたり縮小させたりするのは、やはり人の私なんですね。
ええ、今回の失態の責任は、単なる過失の罪では済まされない超法規的な極めて重いものです。
広範囲にたくさんの生命と財産を破壊し続けますからね。
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将来の人の私の地球の私に対する大失態を見越している、その地球の私の怒りと警告です。
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